なぜつきあう前の人にプレゼントしてはいけないか

まだつきあってもいない相手にプレゼントを渡す行為についてどう思いますか?

以前ツイッターでも「4~5万円程度の、年齢にふさわしくないプレゼントをもらってしまった」という投稿が話題になっていました。

それに対して多数の方が「もっと高いものが欲しかったんだろう」と返信して、「わかっていないな!」と叱られてましたね。

この行き違いは男女の差というよりは、

プレゼントというものの意味と効果に対する不理解である、と私は思いました。

そもそも人間はなぜプレゼントを贈り合うのか

おそらく人類は先史時代からプレゼントを贈り合っていました。当時は珍しい石などを互いに送り合って、互いのつながりを強めていたようです。

ところで、動物もプレゼントを贈り合いますよね。
主に、交尾を求めるオスがメスに対してプレゼントを贈ります。

人間と動物。プレゼントを贈る理由は同じなのでしょうか?
実は、多くの心理学者が「違う」と考えています。

何でも手に入るこの世の中でなぜあえて贈り物をするの?

今は何でも手に入る世の中。日本で暮らしているなら、おいしい食べ物も、ステキな洋服も、手に届かないものじゃありません。貧富の差もそこまで極端ではありませんよね。

なのになぜ人はプレゼントを贈り合うのでしょうか。

心理学者の間では「お互いの共通点を確かめ合い」「お互いへの関心度を表明し合う」意味合いがあると考えられています。

私は、これは「このプレゼントを選んでいる間。何にするか考え実際に買うためにお店に足を運んだ時間、あなたのことを思っていました」という表明のために贈ると思っています。

高価なプレゼントほど喜ばれないのはなぜか

「もらえるものはなんだってうれしいだろう」

と、いうのは、動物に対して考えるべきこと。
動物なら、より大きい獲物を持ってきた相手や、より立派な巣を作った相手とつがいになるかもしれません。

でも、人間のプレゼントに対する心理はもう少し複雑。

「もらえればなんだってうれしいはず。高ければそれだけいいはず」という考えには、相手をそのような単純な思考の相手として見下す心理が隠れています。

あるいは…明確に下心があり、投資としてプレゼントを贈っているなら、相手をモノとして見ているともいえます。

いずれにしても…人の他人に対する勘は案外するどくて、下心や見下しは伝わるものなので、プレゼント力が低い人は必然的に恋愛成就率も低くなります。

実際に行われた調査でも、プレゼントの金額で、心理状態が変わったのは、プレゼントする側だけだったそうです。

もらう側にとっては金額はあまり大切ではなく、モノ自体が好みかどうかに心理状態が左右されたそうです。

たとえば、かなりの見栄っ張りでブランドものを着たい人なら金額の高いプレゼントで相応に喜びます。
もしすぐに質屋を利用するタイプなら、たとえ好みでないものでも喜びます。
質屋を利用せず、ブランド物を多用せず、実用的なものを好む人なら、高いジュエリーをもらっても喜ばないかもしれません。

間違ったプレゼントを贈るよりは送らない方がマシ!

望まれないプレゼントを贈ると心理的距離が広がった研究結果

もあります。

プレゼントが好みに合わないと「この人は私と考え方が違う」という気持ちがより強くなるそうです(しかも男性の方がその傾向が強いという研究もあります)

さらには、人間は報酬をもらったとたんその作業が「労働に変わる」ように思える修正を持っています。

付き合う前の人にプレゼントを渡すと、あなたとの時間が「その報酬を受ける代わりに我慢している時間」に変わってしまうのです。

つき合う前のプレゼントとして最適なのは?

一般サラリーマンなら3千円までの品物でしょうか。

何にしても、相手のことをどれだけ考えたかで、差が出るのです。

1,000円のものでも「文房具色々持ってるから、好きなんだろうなと思って」というプレゼントの方が、
「君はいつもつけていないけど、この10万円のネックレスを上げる」に勝つ場合もあるのです。

高額なプレゼントを渡すのは、両想いになってから。
その時に渡すプレゼントは、一緒に過ごす/気のあるフリをすることへの報酬ではなく、
素晴らしい相手が、そこにそのままで存在してくれていることへの感謝として受け取ってもらえます。

 

参考資料:
Social Cognition, Vol. 26, No. 4, 2008, pp. 469–481469DUNN ET AL.GIFTS AND RELATIONSHIPSThe GifT of SimilariTy: how Good and Bad GifTS influence relaTionShipS